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【信州大学入試】よくある数列の逆数の数列(2025)

今回はこちらの問題を解いていきます.

数列\(\{a_n\}\)\((n=1,2,3,\cdots)\)が以下で与えられている.
$$
a_n=\frac{1}{1+2+3+\cdots+n}
$$
このとき, 以下の値を求めなさい.
(1) \(a_{59}\)
(2) \(a_1\)から\(a_{59}\)までの和
(2025 信州大学)

今回の問題は\(a_n\)の一般項を求めてしまえば簡単です. \(a_{59}\)や, \(a_1\)から\(a_{59}\)までの和といった, 具体的な数値を求める問題ですが, 一般に\(a_n\)や, \(a_1\)から\(a_n\)までの和を\(n\)の式で求めて, 最後に\(n=59\)として値を出す方が計算間違いが少なくなり良いでしょう.

では解いていきます.

(1) $$a_n=\frac{1}{1+2+3+\cdots+n}$$の分母は
$$1+2+3+\cdots+n=\sum_{k=1}^nk=\frac{1}{2}n(n+1)$$
と表せるから,
$$a_n=\frac{1}{\frac{1}{2}n(n+1)}=\frac{2}{n(n+1)}$$
となる.

よって, \(n=59\)とすることで,
$$a_{59}=\frac{2}{59\cdot (59+1)}=\frac{1}{1770}$$
となる.

(2) \(a_n\)の一般項を部分分数展開すると,
$$
a_n=2\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right)
$$となる.

これから,
$$
\begin{align}
a_1+a_2+a_3+\cdots+a_n&=2\left(1-\frac{1}{2}\right)+2\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\right)\\&+2\left(\frac{1}{3}-\frac{1}{4}\right)+\cdots + 2\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right)
\end{align}
$$
となるが, 以下のように, 連続する2つの群で打ち消しが発生し,
$$
2\left(1-\cancel{\frac{1}{2}}\right)+2\left(\cancel{\frac{1}{2}}-\cancel{\frac{1}{3}}\right)+2\left(\cancel{\frac{1}{3}}-\cancel{\frac{1}{4}}\right)+\cdots + 2\left(\cancel{\frac{1}{n}}-\frac{1}{n+1}\right)
$$
最終的にこれは,
$$
2\left(1-\frac{1}{n+1}\right)
$$
となる.
よって,
$$
a_1+a_2+a_3+\cdots+a_n=2\left(1-\frac{1}{n+1}\right)
$$
であるから, \(n=59\)として, \(a_1\)から\(a_59\)までの和は,
$$
2\left(1-\frac{1}{59+1}\right)=\frac{59}{30}
$$
となる.

当たり前ですが,
$$
\sum_{k=1}^nk=\frac{1}{2}n(n+1), \sum_{k=1}^nk=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1), \sum_{k=1}^nk=\left(\frac{1}{2}n(n+1)\right)^2
$$
は確実にすぐに使える必要があります.

また、今回部分分数分解を行いましたが, 一般に以下の公式を覚えておくと便利です.
$$
\begin{align}
\frac{1}{x(x+a)}&=\frac{1}{a}\left(\frac{1}{x}-\frac{1}{x+a}\right) \,\, (a\neq 0),\\
\frac{1}{(x+a)(x+b)}&=\frac{1}{b-a}\left(\frac{1}{x+b}-\frac{1}{x+a}\right) \,\, (a\neq b)
\end{align}
$$

youtubeでも解説しています.

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