今回はこちらの問題を解いていきます.
\(n\)を\(2\)以上の自然数とし, \(1\)個のサイコロを\(n\)回投げ, \(k\)回目に出たサイコロの目を\(X_k\)\((k=1,2,\cdots ,n)\)とする. \(X_1\), \(X_2\),\(\cdots\), \(X_n\)の最小公倍数を\(L_n\), 最大公約数を\(G_n\)とするとき, 以下の問いに答えよ.
(1) \(L_2=5\)となる確率, および, \(G_2=5\)となる確率を求めよ.
(2) \(L_n\)が素数でない確率を求めよ.
(3) \(G_n\)が素数でない確率を求めよ.
(2022 大阪大学 文系 [2])
それでは解いていきましょう.
(1) まず, \(L_2=5\)となるサイコロの目の出方の総数を調べる.
\(L_2=5\)はサイコロを\(2\)回投げて出た目の最小公倍数が\(5\)になることを意味するが, 一度でも\(2\), \(3\), \(4\), \(6\)のいずれかの目が出てしまうと, \(L_2\)は\(5\)以外の素因数を持つことになり, \(L_2=5\)とならない. よって, 出ることが許されるサイコロの目は\(1\), \(5\)の\(2\)通りであるが, \(1\)回目も\(2\)回目も\(1\)の目が出た場合のみ, \(L_2=1\)となってしまうから, これは除外する必要がある.
以上から, \(L_2=5\)となるサイコロの目の出方の総数は, \((5,5)\), \((1,5)\), \((5,1)\)の\(3\)通りであり, サイコロの目の出方の総数は\(6^2\)であるから, \(L_2=5\)となる確率は, \(\displaystyle\frac{3}{6^2}=\frac{1}{12}\)となる.
次に, \(G_2=5\)となるサイコロの目の出方の総数を調べる.
\(G_2=5\)はサイコロを\(2\)回投げて出た目の最大公約数が\(5\)になることを意味する. よって, \(2\)回とも, \(5\)を約数に持つサイコロの目が出る必要があるが, そのようなサイコロの目は\(5\)のみである.
以上から, \(G_2=5\)となるサイコロの目の出方の総数は, \((5,5)\)の\(1\)通りであり, サイコロの目の出方の総数は\(6^2\)であるから, \(G_2=5\)となる確率は, \(\displaystyle\frac{1}{6^2}=\frac{1}{36}\)となる.
(2) まず, \(L_n\)が素数となる確率を求める. \(L_n\)はサイコロの目である, \(1\), \(2\), \(3\), \(4\), \(5\), \(6\)が持つ素因数をかけあわせたものになることから, \(L_n\)が素数となるのは, \(L_n=2\), \(L_n=3\), \(L_n=5\)のいずれかのときである. この各場合において, サイコロの目の出方の総数を調べていく.
・\(L_n=2\)のとき
全\(n\)回のサイコロ投げで, \(3\), \(4\), \(5\), \(6\)の目が一度でも出てしまうと, \(L_n>2\)となってしまうため, \(L_n=2\)となるために出ることが許されるサイコロの目は, \(1\), \(2\)のみである. しかし, 全\(n\)回で全て\(1\)の目が出てしまうと, \(L_n=1\)となってしまうので, これは除外する必要がある. よって, \(L_n=2\)となるサイコロの目の出方の総数は\(2^n-1\)である.
・\(L_n=3\)のとき
全\(n\)回のサイコロ投げで, \(2\), \(4\), \(5\), \(6\)の目が一度でも出てしまうと, \(L_n\)は\(3\)以外の素因数を持つことになってしまうため, \(L_n=3\)とならない. よって, \(L_n=3\)となるために出ることが許されるサイコロの目は, \(1\), \(3\)のみである. しかし, 全\(n\)回で全て\(1\)の目が出てしまうと, \(L_n=1\)となってしまうので, これは除外する必要がある. よって, \(L_n=3\)となるサイコロの目の出方の総数は, \(2^n-1\)である.
・\(L_n=5\)のとき
\(L_n=3\)のときと同様の考えで, \(L_n=5\)となるために出ることが許されるサイコロの目は, \(1\), \(5\)のみである. そして同様に, 全\(n\)回で全て\(1\)の目が出る場合を除外して, \(L_n=5\)となるサイコロの目の出方の総数は\(2^n-1\)である.
\(L_n=2\), \(L_n=3\), \(L_n=5\)の各事象は排反だから, \(L_n\)が素数となるサイコロの目の出方の総数はこれらの和となり, \(3\times(2^n-1)\)である. サイコロの目の出方の総数は\(6^n\)であるので, \(L_n\)が素数となる確率は, $$
\frac{3\left(2^n-1\right)}{6^n}
$$である. 求めたかったのは\(L_n\)が素数とならない確率だったので, これを\(1\)から引くことで,$$
1-\frac{3\left(2^n-1\right)}{6^n}=\frac{6^n-3\cdot 2^n-3}{6^n}
$$と求まる.
(3) まず, \(G_n\)が素数となる確率を求める. \(G_n\)はサイコロの目の最大公約数であることから, \(6\)以下の値をとる. これから, \(G_n\)が素数となるのは, \(G_n=2\), \(G_n=3\), \(G_n=5\)のいずれかのときである. この各場合において, サイコロの目の出方の総数を調べていく.
・\(G_n=2\)のとき
全\(n\)回のサイコロ投げで, \(1\), \(3\), \(5\)の目が一度でも出てしまうと, \(G_n\)はこれらの目の約数となるため, \(G_n=2\)とならない. よって, \(G_n=2\)となるために出ることが許されるサイコロの目は, \(2\), \(4\), \(6\)のみである. しかし, 全\(n\)回で全てで\(4\)または, 全てで\(6\)の目が出てしまうと, \(G_n=4\), または, \(G_n=6\)となってしまうので, この\(2\)パターンは除外する必要がある. よって, \(G_n=2\)となるサイコロの目の出方の総数は\(3^n-2\)である.
・\(G_n=3\)のとき
全\(n\)回のサイコロ投げで, \(1\), \(2\), \(4\), \(5\)の目が一度でも出てしまうと, \(G_n\)はこれらの目の約数となるため, \(G_n=3\)とならない. よって, \(G_n=3\)となるために出ることが許されるサイコロの目は, \(3\), \(6\)のみである. しかし, 全\(n\)回で全てで\(6\)の目が出てしまうと, \(G_n=6\)となってしまうので, これは除外する必要がある. よって, \(G_n=3\)となるサイコロの目の出方の総数は\(2^n-1\)である.
・\(G_n=5\)のとき
全\(n\)回のサイコロ投げで, \(1\), \(2\), \(3\), \(4\), \(6\)の目が一度でも出てしまうと, \(G_n\)はこれらの目の約数となるため, \(G_n=5\)とならない. よって, \(G_n=5\)となるために出ることが許されるサイコロの目は\(5\)のみであり, \(G_n=5\)となるのは, 全\(n\)回全てで\(5\)の目が出るときに限る. よって, \(G_n=5\)となるサイコロの目の出方の総数は\(1\)である.
\(G_n=2\), \(G_n=3\), \(G_n=5\)の各事象は排反だから, \(G_n\)が素数となるサイコロの目の出方の総数はこれらの和となり, \(3^n+2^n-2\)である. サイコロの目の出方の総数は\(6^n\)であるので, \(G_n\)が素数となる確率は, $$
\frac{3^n+2^n-2}{6^n}
$$である. 求めたかったのは\(G_n\)が素数とならない確率だったので, これを\(1\)から引くことで,$$
1-\frac{3^n+2^n-2}{6^n}=\frac{6^n-3^n-2^n+2}{6^n}
$$と求まる.
youtubeでも解説しています.