MENU

【一橋大学入試】共有点で接線が直交する2つの2次関数に囲まれる面積(2024)

今回はこちらの問題を解いていきます.

\(a\), \(b\)を実数として, 2つの曲線\(C_1: y=x^2\)と\(C_2:y=-x^2+ax+b\)は共有点を持ち, その点におけるそれぞれの接線は直交している. このような条件を満たす\(C_1\), \(C_2\)に関して, \(C_1\), \(C_2\)で囲まれる領域の面積の最小値を求めよ.
(2024 一橋大学 [2])

それでは解いていきましょう.

\(f(x)=x^2\), \(g(x)=-x^2+ax+b\)とおく. 条件を満たす\(C_1\), \(C_2\)の共有点の\(x\)座標を\(t\)とすると,
$$
\begin{align}
f(t)=g(t) &\iff t^2=-t^2+at+b \\[1.5ex]
&\iff 2t^2-at-b=0\,\,\,・・・①
\end{align}
$$が成り立つ. また, その共有点における各曲線の接線の傾きは\(f^\prime(t)=2t\), \(g^\prime(t)=-2t+a\)であり, これが直交するから,
$$
\begin{align}
f^\prime(t)\cdot g^\prime(t)=-1 & \iff 2t\cdot (-2t+a)=-1\\[1.5ex]
&\iff 4t^2-2at-1=0\,\,\,・・・②
\end{align}
$$となる. \(a\),\(b\)に対して①, ②を同時に満たす\(t\)を求めればよい.

\(2\times ①-②\)より,
$$
-2b+1=0\iff b=\frac{1}{2}
$$となり, ①, ②を同時に満たす\(t\)が存在するためには\( \displaystyle b=\frac{1}{2}\)が必要であることがわかる.

\(\displaystyle b=\frac{1}{2}\)であれば, ①を\(t\)の2次方程式と見て判別式\(D\)を計算すると,
$$
D=(-a)^2-4\cdot 2\cdot \left(-\frac{1}{2}\right)=a^2+4>0
$$となり, ①は\(a\)の値に依らず2つの実数解を持つことがわかる. そしてまた, \(\displaystyle b=\frac{1}{2}\)であれば, ①と②が同一の方程式となるから, ①の方程式の解は同時に②の方程式の解となる.

以上から, \(\displaystyle b\neq\frac{1}{2}\)であれば, \(C_1\), \(C_2\)は共有点を持ったとしても, その共有点で接線が直交することがないこと, そして, \(\displaystyle b=\frac{1}{2}\)であれば, \(a\)の値に依らず, \(C_1\), \(C_2\)は2つの共有点を持ち, さらにその共有点における2つの接線は直交することがわかった.

以降, \(\displaystyle b=\frac{1}{2}\)とする.

①を解いて\(C_1\), \(C_2\)の共有点の\(x\)座標を\(a\)を用いて表すと,
$$
\begin{align}
2t^2-at-\frac{1}{2}=0 &\iff 4t^2-2at-1=0 \\[1.5ex]
& \iff t=\frac{a\pm\sqrt{a^2+4}}{4}
\end{align}
$$となる. この解をそれぞれ\(\displaystyle \alpha=\frac{a-\sqrt{a^2+4}}{4}\), \(\displaystyle \beta=\frac{a +\sqrt{a^2+4}}{4}\)とすると, これは\(g(x)=f(x)\)の解でもあるから,
$$
g(x)-f(x)=-x^2+ax+b-x^2=-2(x-\alpha)(x-\beta)
$$と表せる.

\(C_1\), \(C_2\)の曲線の位置関係は以下のようになり,

これから, \(C_1\), \(C_2\)で囲まれる領域の面積\(S(a)\)は,
$$
\begin{align}
S(a)&=\int_\alpha^\beta\left\{g(x)-f(x)\right\}\,dx\\[1.5ex]
&=-2\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx\\[1.5ex]
&=-2\cdot\left(-\frac{1}{6}\right)(\beta-\alpha)^3\\[1.5ex]
&=\frac{1}{3}\left(\frac{\sqrt{a^2+4}}{2}\right)^3\\[1.5ex]
&=\frac{1}{24}(a^2+4)^{\frac{3}{2}}
\end{align}
$$となり, これが最小となるのは\(a=0\)のときである.その最小値\(S(0)\)は,
$$
S(0)=\frac{1}{24}\cdot 4^{\frac{3}{2}}=\frac{1}{3}
$$と求まる.

youtubeでも解説しています.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次