今回はこちらの問題を解いていきます.
机の上に白黒\(2\)種類のカードがたくさんあり, 白黒\(2\)枚ずつ合計\(4\)枚のカードを手もとに持っているとする. 次の操作Aを考える.
操作A: 「手もとの\(4\)枚のカードからランダムに\(1\)枚のカードを選び出し, そのカードを机の上にある違う色のカードと取り替える.」
このとき, 以下の問いに答えよ.
(1) 操作Aを\(4\)回繰り返した後に初めて, \(4\)枚とも同じ色のカードになる確率を求めよ.
(2) 操作Aを\(n\)回繰り返した後に初めて, \(4\)枚とも同じ色のカードになる確率を求めよ.
(2008 東京大学 文系 [2])
それでは解いていきましょう.
(1) 操作Aを\(4\)回繰り返した後に初めて\(4\)枚とも同じ色のカードになるのは, 以下の\(4\)パターンのいずれかである.
\(1\)回目 | \(2\)回目 | \(3\)回目 | \(4\)回目 | |
---|---|---|---|---|
パターン1 | 白 (白1, 黒3) | 黒 (白2, 黒2) | 白 (白1, 黒3) | 白 (白0, 黒4) |
パターン2 | 白 (白1, 黒3) | 黒 (白2, 黒2) | 黒 (白3, 黒1) | 黒 (白4, 黒0) |
パターン3 | 黒 (白3, 黒1) | 白 (白2, 黒2) | 白 (白1, 黒3) | 白 (白0, 黒4) |
パターン4 | 黒 (白3, 黒1) | 白 (白2, 黒2) | 黒 (白3, 黒1) | 黒 (白4, 黒0) |
各パターンが起こる確率は同一でそれぞれ,$$
\frac{2}{4}\times\frac{3}{4}\times\frac{2}{4}\times\frac{1}{4}=\frac{3}{64}
$$であり, 各パターンは互いに排反なので求める確率は,$$
4\times \frac{3}{64}=\frac{3}{16}
$$である.
(2) 操作Aを\(1\)回行ったとき, 白のカードの枚数は\(+1\)になるか, \(-1\)になるかのいずれかであるから, 白のカードの枚数は偶数から奇数, または奇数から偶数に変化する. 最初白のカードの枚数は\(2\)枚で偶数であるため, 操作Aを偶数回行うと白のカードの枚数は偶数に, 奇数回行うと白のカードの枚数は奇数になることがわか操作Aを奇数回行ったときに\(4\)枚のカードが全て同じ色になることがないことがわかる. つまり\(n\)が奇数のとき, 求める確率は\(0\)である.
次に\(n\)が偶数のときを考える. このとき, 自然数\(k\)を用いて\(n=2k\)と表せる. 操作Aを\(n\)回繰り返した後に初めて\(4\)枚とも同じ色のカードになるのは,
・白→黒 (白のカードの枚数変化は, 2→1→2)
または
・黒→白 (白のカードの枚数変化は, 2→3→2)
を\((k-1)\)回繰り返し, 最後に,
・白→白 (白のカードの枚数変化は, 2→1→0)
または
・黒→黒 (白のカードの枚数変化は, 2→3→4)
のいずれかが起こるときである.
白\(2\)枚, 黒\(2\)枚の状態から, 「白→黒」または「黒→白」が起こる確率は,$$
\frac{2}{4}\times\frac{3}{4}=\frac{3}{8}
$$であり, 「白→白」または「黒→黒」が起こる確率は,$$
\frac{2}{4}\times\frac{1}{4}=\frac{1}{8}
$$であるから, 求める確率は,$$
\begin{align}
&\left(\frac{3}{8+\frac{3}{8}}\right)^{k-1}\times\left(\frac{1}{8}+\frac{1}{8}\right)\\[1.5ex]
&=\frac{1}{4}\left(\frac{3}{4}\right)^{\frac{n}{2}-1}
\end{align}
$$となる.
youtubeでも解説しています.