今回はこちらの問題を解いていきます.
AとBの2チームが試合を行い, どちらかが先に\(k\)勝するまで試合を繰り返す. 各試合でAが勝つ確率を\(p\), Bが勝つ確率を\(q\)とし, \(p+q=1\)とする. AがBより先に\(k\)勝する確率を\(P_k\)とおく.
(1) \(P_2\)を\(p\)と\(q\)で表せ.
(2) \(P_2\)を\(p\)と\(q\)で表せ.
(3) \(\displaystyle \frac{1}{2}<q<1\)のとき, \(P_3<P_2\)であることを示せ.
(2012 北海道大学 文系 [4])
それでは解いていきましょう.
(1) \(P_2\)はAが先に\(2\)勝する確率であり, Aが\(2\)勝したとき, \(B\)は0勝, または1勝している. 各場合においてAが先に\(2\)勝する確率を求める.
① Bが\(0\)勝している場合
これは, Aが\(2\)連勝する確率になるので, その確率は\(p^2\)である.
② Bが\(1\)勝している場合
これは最初の\(2\)試合でA, Bが共に\(1\)勝ずつし, 最後\(3\)試合目にAが勝つ確率だから,$$
{}_2\mathrm{C}_1p^1q^1\times p=2p^2q
$$となる.
①, ②は排反なので,$$
P_2=p^2+2p^2q=p^2(1+2q)
$$となる.
(2) \(P_3\)はAが先に\(3\)勝する確率であり, Aが\(3\)勝したとき, \(B\)の勝利数は0勝, 1勝, 2勝のいずれかである. 各場合においてAが先に\(3\)勝する確率を求める.
① Bが\(0\)勝している場合
これは, Aが\(3\)連勝する確率になるので, その確率は\(p^3\)である.
② Bが\(1\)勝している場合
これは最初の\(3\)試合でAが\(2\)勝, Bが\(1\)勝し, 最後\(4\)試合目にAが勝つ確率だから,$$
{}_3\mathrm{C}_2p^2q^1\times p=3p^3q
$$となる.
③ Bが\(2\)勝している場合
これは最初の\(4\)試合でA, Bが共に\(2\)勝ずつし, 最後\(5\)試合目にAが勝つ確率だから,$$
{}_4\mathrm{C}_2p^2q^2\times p=6p^3q^2
$$となる.
①, ②, ③は排反なので,$$
P_3=p^3+3p^3q+6p^3q^2=p^3(1+3q+6q^2)
$$となる.
(3) \(P_2-P_3>0\)を示す.$$
\begin{align}
P_2-P_3&=p^2(1+2q)-p^3(1+3q+6q^2)\\[1.5ex]
&=p^2\left\{1+2q-p(1+3q+6q^2)\right\}\\[1.5ex]
&=p^2\left\{1+2q-(1-q)(1+3q+6q^2)\right\}\\[1.5ex]
&=p^2(1+2q-1-3q-6q^2+q+3q^2+6q^3)\\[1.5ex]
&=p^2(6q^3-3q^2)\\[1.5ex]
&=3p^2q^2(2q-1)
\end{align}
$$となるが, \(\displaystyle \frac{1}{2}<q<1\)より, \(2q-1>0\), \(p\neq 0\), \(q\neq 0\)であるから,$$
P_2-P_3=3p^2q^2(2q-1)>0
$$である.
よって, \(P_3<P_2\)がわかる.
youtubeでも解説しています.